Diary


2022-08-20(土) [長年日記]

_ [book]ギャングスターレッスン 垣根涼介

超超要約するとプロのタタキ屋養成小説(ぇ
この本に出会ったのは震災直前の1月か2月だから11年半前か.
当時,単身赴任で横須賀のYRPっていうところに住んでいて,週末天気悪いと近所のTSUTAYAに行くくらいしかやることなかったんですね.チャリしかなかったし.
そうですね,平積みしてあった本書を立ち読みで読破するくらいヒマでした *1
おもしろかったんで読破後に買ったんですけどね.サザエさんかよ *2

その後,本書がヒートアイランドシリーズの2作目ということを知り, ギャングスターレッスン(2作目)→ヒートアイランド(1作目)→サウタージ(3作目)→午前三時のルースター(デビュー作)→ボーダー(4作目)といっきに読んだっけな.
4作目のボーダーにいたっては文庫化前だったんで図書カード作って横須賀図書館から借りて読んだ(懐)
デビュー作の「午前三時のルースター」はヒートアイランドシリーズではないけど,「ボーダー」の前に読んでおくとよいです.
当時はこれらに続けて「ワイルド・ソウル」,「ゆりかごで眠れ」も読んでいてクライムノベルにどっぷりはまっていたような気がします.
ちなみに「ヒートアイランド」は実写化されていて amazon prime で見れますがクソすぎて見る価値ないです(マジ) *3

で,久々に5冊続けて読んだ.当時読んだ順番で.
通しで読むのは3回目かな.
この4部作+1は順番通りよんだほうがもちろん良いとは思うんだけど,適度に回想シーンがあり,その中にわりと詳細なあらすじが書いてあるから大丈夫.
構図としては タタキ屋 vs ヤクザ って感じなんで薬に銃に加えて犯罪プロセスに女と好き嫌いがわかれそうな内容ですが, 取材に裏付けされた作者のこだわりが感じられて好感が持てます.
加えて車・バイクへのこだわりも強いようで(自分のように)好きな人には良いですが,興味のない人には細々した記述が少々くどく感じる面があるかもです.

この作家は経歴も変わっていますが,ある程度のスパンで書くジャンルが変わっていくのも興味深いです.
ヒートアイランドシリーズに代表される犯罪物の後の「君たちに明日はない」シリーズ(リストラ請負物 5部作)も大変面白く読みました.
その後,歴史物シリーズに移行するのですが,自分,想像力が乏しく昭和より前が舞台となるとストーリーが頭に入っていかないんですよね.
そんなわけで,垣根涼介作品を新しく買う機会はもうないのかもしれないです.
一瞬でもいいからヒートアイランドシリーズが帰ってくると嬉しいんですけど,書店に垣根涼介の歴史物の単行本が平積みされているのを見ると, もう戻ってくることは無いんだろうなぁと思う今日この頃なのです.

*1 超ヒマなのは週末限定で平日は...ノーコメント(笑).YRPとはそういうところでした(過去形)

*2 正確には立ち読みするのはカツオで,買ってあげるのは波平か.

*3 ストーリーが変に捻じ曲げられていて,作者に対するリスペクトが感じられないというか,原作をちゃんと読んでいないですね.